相続について
妻や子供にできるだけ多くの財産をどのように受け渡すのか悩んでいる方は多いはずです。 相続は避けて通ることのできない重大なライフイベントのひとつです。 多額の税金を支払い、財産分与をめぐる争いなどマイナスイメージがつきまといがちな相続ですが、流れを押さえてあらかじめ早期に相続対策の準備をしておけば大丈夫です。 スムーズな相続のためのポイントを5つにまとめました。
ポイント①基礎知識を身につける
そもそも、相続の基本ルールを知らなければ、準備もできません。相続税は相続財産(※7年以内に贈与された財産を含む)が対象になりますが「3,000万円+(600万円✕法定相続人の数)」以下の額には課税されません。この「遺産に係る基礎控除額」や「相続手続き」(上図参照)のような相続に関する基本的な知識はきちんとおさえておく必要があります。
※補足説明:2023年の税制改正で、生前贈与加算の対象期間が、相続開始前の3年以内から7年以内に延長されました。ただし、単に対象期間が延ばされたわけではないことに注意が必要です。
相続開始前の3年以内の贈与が加算対象となるのは従来どおりですが、4年以上前のものは、その期間の生前贈与の額から100万円を控除した額が持ち戻しの対象となります。
ポイント②相続する財産の全容を把握する
まず大切なことは相続の対象になる財産を把握することです。 しかし、財産の全容を把握することは簡単ではありません。 相続人となる権利を持っている子たちが親にどのくらい財産があるのか聞くのはかなりためらわれます。 お正月やお盆など家族が集まる機会を見つけて親子で話し合うしかありません。 財産を把握したら、相続発生時にどのくらい相続税がかかるのか計算します。 ただし、個々の払う相続税額は、財産をどのような割合で相続するかによって変わりますので注意して下さい。
ポイント③財産分与について話し合う
各相続人の取り分と財産分与の方法を決めます。 できれば相続が起こる前にどのように財産を分与するのかを話し合いましょう。 相続が発生してから、それぞれの相続人が相続の権利を主張して収拾がつかなくなるという事態はめずらしいことではありません。 相続税そのものが問題になることは少なく、相続人同士の財産分与をどのようにするかでトラブルになることが多いようです。
ポイント④遺言書を作成する
遺言書は法律的に有効であること、相続人も含めた話し合いをふまえて作成することが大切です。 遺言書で指定できる内容はあらかじめ決められています。 また民法で法定相続人の最低限の取り分(遺留分)が認められているので、その権利を侵害した遺言書はトラブルを引き起こす可能性があります。 書式や内容も重要ですが、できれば弁護士など専門家からのチェックを受けておくと良いでしょう。
ポイント⑤贈与をうまく活用する
相続の準備が早くできれば、「生前贈与」という手段を積極的に使うことができます。 贈与の際には贈与税がかかりますがいくつかの控除が認められていますので控除をうまく活用して、上手に節税をするのが有効です。
- (1)贈与税に関する年間110万円の基礎控除枠
- (2)贈与税に関する結婚してから20年以上経つ配偶者の居住用不動産取得に適用される2000万円の配偶者控除
- (3)父母もしくは祖父母から省エネ等住宅取得金1,000万円の控除。省エネ以外の住宅は500万円
誰もが直視したくないために、ついついまだ先のこととなおざりになりがちな相続対策ですが、自分たちの大切な財産を守り、その財産をより多くの子孫に円満・円滑に残すために早いうちからの準備をしましょう。