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借地借家法について

日常の賃貸借契約において当たり前に借地借家法が適用されています。 建物を所有する目的をもった土地の借地契約と建物の賃貸借契約の領域を限定して民法の規則と異なる内容の規則を定めたものとして借地借家法があり、民法の特別法といわれています。 そこで、改めて借地借家法(旧法)の制定から新法の改正までの権利の変遷と歴史についてまとめてみました。

1904年 明治37年 日露戦争当時

土地と建物の権利を分けるという日本固有の考え方の下、借地・借家制度が発達しました。 経済の発展に伴って都市部への人口の集中が起こり、住宅需要が高まり、今では想像が付かない位に貸主の権利は強大でした。

  • (1)民法で賃貸借の存続期間は20年を越えることができない。
  • (2)借地上の建物は貸主に無断で譲渡できない。
  • (3)借家は民法上で契約を自由にできる。

1909年 明治42年 建物保護法制定

借主が借地上に単独で登記した建物を有すると、第三者へ借地権の対抗ができることとなりました。

1921年 大正10年 借地借家法(旧法)制定

借家権は借主が他人の建物を借りて生活の本拠とするような借家の場合、貸主よりも借主の保護を前提として借主のための建物賃借権の強化がこの法の主たる目的でした。 しかし、借家権自体が大変弱く、仮に売買によって貸主が代わってしまえば、その賃借権も消滅してしまうとされ、売買は賃貸借をも破るともいわれていました。

  • (1)賃貸借の存続期間は最短で20年とする。
  • (2)賃貸借の存続期間満了時に契約の更新を請求できる。
  • (3)建物の買取りを請求できる。
  • (4)地代の増減を事情の変更に応じて請求できる。

1939年 昭和14年 地代家賃統制令制定

大正から昭和の時代に入って、戦時経済が続き、諸物価の高騰が相次ぎました。 そして政府は地代家賃統制令を制定し、借主の保護のため賃料を制限しましたが、それでも、貸主の値上げが相次ぎ、借主が値上げを拒否すると、貸主は契約の更新を拒否したり、あるいは解約を申し入れ、立ち退きか値上げを迫りました。

1941年 昭和16年 借地借家法(旧法)改正

当時の貸主のこのような勝手な行動が大きな社会問題となり、それがもとで借地借家法の大きな改正がなされました。 昭和初期あまりに強すぎた貸主の権利から、正当事由がなければ法定更新してしまうという借主の保護に異常に傾いた制度が出来上がり、以後50年続くこととなりました。

  • (1)賃貸借の存続期間満了時に貸主に正当事由がなければ契約の更新ができる。
  • (2)建物・建物の造作物を貸主に買取り請求ができる。

1966年 昭和41年 借地借家法(旧法)改正

増改築制限のある建物の増改築及び借地条件の変更が可能となり譲渡さえもが認められるようになり、更に借主の借地権が強固になりました。

1992年 平成4年 借地借家法(新法)制定 定期借地権導入

新法を制定したことは、貸主と借主の公平な利害関係の調整と、宅地・建物の供給促進を目的としたものですが、従来からの問題も残っています。 また新たに借主が建物を建築しても期限がくれば無条件で土地が返還される定期借地権や期限付き借家契約など新しい制度が取り入れられました。

  • (1)正当事由の明確化。(財産上の給付の申し出)
  • (2)定期借地権の導入。(一般定期借地権・建物譲渡特約付借地権・事業用借地権)
  • (3)貸主の不在期間・取り壊し予定の建物・一時使用目的の期限付き借家契約。

2000年 平成⒓年 借地借家法(新法)改正 定期借家権導入

新法が一部改正され建物も期限がくれば無条件で建物が返還される定期借家権制度が取り入れられました。

  • (1)賃貸借の存続期間は無制限。
  • (2)賃貸借の存続期間の満了により終了し、更新はない。
  • (3)賃料の増減は特約の定めに従う。

まとめ

借地借家法の歴史を振り返ってみると、明治から大正にかけて貸主の権利が強すぎたために借地借家法が制定され、借主を保護するための法律が逆に貸主の権利を著しく弱くしすぎて、正事由がないと貸主側から解約できなくなり、明け渡しや立ち退きに関して、当然多くの諸問題が起き、裁判への抗争が慢性化しました。 そこで、昭和16年の法改正から50余年を経過した平成4年に新借地借家法が制定され、正当事由の補完の理由が認められ、貸主側からの解約が認められやすくなりました。 また、期限がくれば必ず土地が還ってくる定期借地権が導入されました。 更に平成12年に期限がくれば必ず建物が還ってくる定期借家権も導入されたことによって、現在は、貸主が土地・建物を貸しやすいように法律が整備されてきています。 しかし、大切な財産である不動産を賃貸するのであればそれなりの専門知識が必要です。 地主様の良きパートナーである弊社にご相談下さい。 また、旧借地借家法で契約された物件で問題がある場合などもお気軽にご相談下さい。